看護師に向いている人の特徴のひとつに、向上心や生涯学習の精神がある、とあります。これは当たっていると思います。周りの看護師を見回しても、新しい技術を常に習得しようとしていたり、新しい分野に挑戦しようとしていたり。日本で看護師をしていながら、アメリカで看護師をしてみたい、なんて漠然と考えている人もまさにその精神の表れだと思います。
アメリカの看護師って日本の看護師とどう違うの?
仕事の内容、お給料、キャリアップへの道、社会的地位の違いについて比較してみたいと思います。
仕事の内容の違い
アメリカの病院では、看護師は患者の診察、医師からの指示受け、けがの処置や治療、薬の投与など、より専門的な仕事がほとんどです。患者さんの身の回りの世話はCNA(看護助手)が行います。投薬の準備は、薬剤師が行います。
また、投薬の指示に疑問があれば、薬剤師が直接医師に連絡をとり確認します。大切な役割は、いかにCNAとうまくコミュニケーションをとって、一緒に仕事をするかです。CNAの仕事をスーパーバイズすることも大切なので、しっかり監督をしながらもよい関係を保ち仕事をすることが不可欠です。今現在は、日本の看護師の仕事内容も、変わってきているかもしれませんが、以前は、ベッドメーキングや、点滴薬の準備、採血、なども看護師が行っていた記憶があります。
給料の違い
アメリカの看護師の給料は、州によっても違いますが、平均で年収$75,000程、日本の看護師の平均年収は約500万円程。アメリカの看護師の年収は日本の看護師のおよそ2倍です。多くの医療機関で、年に一度昇給の機会があるので毎年昇給することも望めます。
高度看護師への道
アメリカの看護師は、看護学士(Bachelor’s Degree)をとったあと、さらに高度な教育を受け、ナースプラクティショナー、助産師、麻酔看護師などというさらなる道が開けます。
ナースプラクティショナー
ナースプラクティショナーは、看護修士(Master of Science in Nursing)を要する看護資格で、一定レベルの診断や治療が行えます。患者さんを診察し薬を処方したり、必要に応じてレントゲンや血液検査もオーダーできます。ナースプラクティショナーの平均年収は、州により違いますが、約$107,000程です。
助産師
助産師(Certified Nuse Midwife)は出産前から出産後のケアやサポートを提供します。病院やバースセンターで働き、独立した妊婦検診、薬の処方を含めたプライマリーケア、超音波を用いた診断、出産介助、帝王切開の第一助手、患者教育、婦人科の検診、避妊具の挿入および避妊薬の処方、受胎調節、性病の診断・治療および患者教育などに携わっています。助産師の平均年収は、州により違いますが、約$123,000程です。
麻酔看護師
麻酔看護師はクリニックや、外来の手術センター、病院などで、麻酔科医と協力して、安全な麻酔の管理を行います。NBCRNA(National Board of Certification and Recertification for Nurse Anesthetists) と呼ばれる試験に合格すれば麻酔看護師として働けます。2022年から、Doctor of Nursing (Anestheria) Practice を取得しなければならなくなったため、さらに高度な教育を受けて取得する資格になります。麻酔看護師の平均年収は、州により違いますが、約$200,000程です。
社会的地位の違い
日本の看護師の仕事は3Kといい、「きつい」「汚い」「危険」のそれぞれをローマ字で書いた時の頭文字をとったものです。とてもネガティブに聞こえます。
また、コロナ感染者を治療する仕事に就く人達が理不尽な差別や嫌がらせを受けたなんていうニュースも耳にしました。一方、アメリカの看護師は、医師と対等に会話し、准看護師や看護助手を指導する立場です。高収入を望めること、働き方に自由があることなどもあり、社会的地位は高いといえます。
アメリカの看護師は、他の職種の人との仕事分担がしっかりなされているので、看護師本来の仕事に専念でき、高収入です。高度看護師への道も開けていて、キャリアアップをする環境が整っています。さらに、社会的地位が高く、今現在の2022年度は円安のあおりも受けて、アメリカで看護師になることを志す人はさらに増える傾向にあります。
Univaleoでは、アメリカで看護師になる方の支援をしています。どんな些細なご質問でも、お気軽にお問い合わせください。