アメリカで看護師になるには、NCLEXという看護師資格試験に合格する必要があります。NCLEXの受験資格は、アメリカの看護大学や看護短大を卒業することで得ることができます。また海外で看護師の資格を持つ者も、希望の州に申し込むことにより受験資格を得ることができることもあります。
アメリカ看護師資格試験の難易度
NCLEX試験はどのくらい難しいのでしょうか。2022年の1月から3月の合格率が発表されたので、前年、前々年の結果と比較してみます。
NCLEXーRN(正看護師): 試験合格率
アメリカで教育を受けた者の方が、外国で教育を受けたものより合格率が高いのは明らかです。また、4年制大学を卒業した者の方が、2年制大学にくらべ、合格率が高いこともわかります。それぞれが、どのような勉強法を行って合格に至ったのかの記述はありません。
気になるのは、1回目受験者において、4年制大学の卒業生の合格率が、2020年から2022年にかけて約5%も下がったこと。また、2年生大学卒業者の合格率も2020年から2022年にかけて3%以上も下がっています。これは、コロナの影響で、対面の授業が減ったり、NCLEXの勉強についてもオンラインに切り替わったなどの影響があるのかもしれません。
その反面、外国で教育を受けた者の合格率は2020年から2022年にかけて1回目受験者も再試験車も3%近く上昇しています。
RN(正看護師) | 2022年1-3月 | 2021年 | 2020年 |
アメリカで教育を受けた者 | |||
1回目受験の合格率 | |||
4年制大学卒業者 | 85.59% | 86.06% | 90.29% |
2年制大学卒業者 | 79.23% | 78.78% | 82.80% |
再試験者の合格率 | 42.21% | 45.52% | 42.94% |
外国で教育を受けた者 | |||
1回目受験の合格率 | 46.64% | 46.68% | 43.71% |
再試験者の合格率 | 27.49% | 27.75% | 24.84% |
NCLEXーPN(准看護師): 試験合格率
こちらも、アメリカで教育を受けた者の方が、外国で教育を受けた者より合格率が高いのは明らかです。アメリカで教育を受けた者の合格率が、2020年から2021年に向けて3%以上も下がりましたが、2022年に約3%上がりました。一方、外国で教育を受けた者の合格率は、2020年から2年連続約3%下がっていることがわかります。
PN(准看護師) | 2022年1-3月 | 2021年 | 2020年 |
アメリカで教育を受けた者 | |||
1回目の合格率 | 82.16% | 79.60% | 83.08% |
再試験者の合格率 | 37.91% | 35.42% | 35.64% |
外国で教育を受けた者 | |||
1回目の合格率 | 48.65% | 51.49% | 54.82% |
再試験者の合格率 | 27.41% | 18.18% | 25.04% |
来年2023年の4月から開始される新しいNCLEX。NCLEXは本来アメリカの新卒看護師が受ける試験です。基本的な知識と技術に加え、安全かつ適切な臨床判断を下せるか、そのために必要な情報を見落とさず収集できるかが問われます。2023年から新しく変わるということで、合格率がどうなるのか気になるところです。
NCLEXについて、また日本の看護師の免許をアメリカの免許に書き換えたいなど、ご質問がありましたら、ぜひお問い合わせください。