看護の仕事は大変ですが、やりがいがあり、また安定した雇用と高収入も期待できます。アメリカの看護は、資格ごとに役割分担が明確に分かれています。
看護師 or 看護助手?
看護でのキャリアを考える場合、看護師 (RN) あるいは看護助手 (CNA) になることに興味がわくかもしれません。今回は、看護師と看護助手の役割、責任、収入などの違いについてご紹介したいと思います。
看護助手 (CNA)の役割
医療施設で患者のケアをしながら看護師や医師を支援する医療従事者です。具体的に は、患者の体位変換や移動、バイタル サインの測定と記録、病院のベッドや車椅子などへの移動を支援します。また、患者の衛生状態の維持、入浴介助、食事の摂取、着替えなど、日常活動に助けが必要な患者の支援も行います。州によっては、看護助手(CNA)が看護師(RN)の監督下において、経鼻、経口、経皮、点耳薬、目薬の投与を行えます。
看護助手(CNA)になるには
看護助手(CNA)になるには、州が認証した専門学校や短大で学ぶことが必要です。そこで、講習と実技を学び、必要な教育とトレーニングを受けます。プログラムは4から12週間、多くの場合、教室での学習、オンライン学習、および実践的なトレーニングを組み合わせた内容です。プログラムにより、夜間や週末にクラスがあったり、短期集中型のプログラムを提供するコースもあります。無事にプログラムを終了後、州の認定試験を受け、合格すると看護助手(CNA)になれます。また、海外で看護師の免許を保持している場合、トレーニングを受けずに認定試験を受けることができる州もあります。CNAの平均年収は、州により違いますが約$35,500程です。
看護師(RN)の役割
患者に医療を提供し、医師やその他の医療スタッフをサポートする医療従事者です。看護師(RN) は、医師の指示のもと投薬や処置を行います。また、患者のアセスメントを行い、異常を医師に報告し、指示を受けます。さらに、重要な役割として、准看護師、看護助手を監督することがあります。いかに准看護師、看護助手と連携して業務を行えるかも優秀な看護師(RN)の手腕にかかってきます。
看護師(RN)になるには
ADNとBSNの2種類の看護科プログラムがあります。
ADN (Associate Degree in Nursing)は短大で、BSN (Bachelor of Science in Nursing)は4年間の看護大学です。どちらも卒業してから、NCLEX-RNと呼ばれる看護師資格試験を受けますが、ADNとBSNでは給料が多少異なります。年々、ADN卒よりBSN卒の看護師を雇う雇用主が増えています。それは、より高い教育を受けた看護師を多く持つことにより、その医療機関の看護レベルを上げるためです。また、ADN卒の看護師に奨学金をだしてBSNのプログラムを推奨する医療機関もあります。アメリカの正看護師の給料は、州により違いますが、平均で年収$75,000程です。
まとめ
看護助手(CNA)としての経験は、将来看護師(RN)になることを考えている人にとって、よい踏み台になるといえます。多くの 看護助手(CNA)は、実践的な患者さんの身の回りのケアをするという経験を積んだ後、より専門性のある看護師(RN)になる道に進みます。
日本で看護師をされていた人が、アメリカで看護師になる準備をする間に看護助手(CNA)として働く方もいらっしゃいます。メリットとして、実際の医療現場を直接見て学べる、スーパーバイズする看護師(RN)の働き方についても学べる。更には、生きた医療英語を勉強することもできるので、英語に自信がない方にもいいかもしれません。
看護師(RN)になるのに、なぜ看護助手(CNA)になる?一見遠回りのように見える道のりですが、長い目で見ると有意義なステップになるかもしれません。急がば回れ?でしょうか。