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CA州看護師1年目!滝口咲帆さんへのインタビュー

カリフォルニア州 看護師1年目:滝口咲帆さん

今回、カリフォルニア州で看護師として働き始めて1年目の日本人ナース:滝口咲帆さんにじっくりお話を伺う機会をいただきました。小さな病院で、本当に”Caring”な同僚に囲まれてお仕事を楽しまれてイキイキと輝きを放たれています!

 

では、内容をご紹介していきます。

 

アメリカで看護師になるきっかけ

日本の高校を卒業して、すぐにアメリカに留学で渡米してきました。もともと、看護師になるつもりも興味もなかったのですが、アメリカで結婚後、体調を崩した義理の家族のお手伝いをしている時に、看護師に向いてるんじゃない?と親戚に言われた一言がわたしの看護師人生のはじまりでした。

 

看護大学と英語の習得

 

確かにアメリカの看護大学の学費は高いです。それでも看護師として働き始めた後の「お給料」や「やりがい」、そして何より「これから先の自分の人生」を考えた上で、誇りをもって働いていけるんじゃないかと思って一念発起しました。

 

4年生大学で看護学の勉強を始めたころは、留学経験はあるものの医療系に特化したバックグラウンドが何もなく、無知の分野を英語で学ぶということで、知識もさることながら英単語にもかなり苦労しました。ですが大学を卒業するころには、医療英語も習得し、NECLEX(アメリカの看護師免許試験)に1発合格!直ぐにアメリカの病院に就職できるほど英語をマスターしていました。正直、わたしもまだ英語にはかなりなまりがあると思います。でも、アメリカで話されている英語は、多様な人々のバックグランドもあり、なまっていても全然問題ありません。

 

ちなみにですが、アメリカで看護師になるには、ADN(短大)かBSN(4年制大学)のどちらかで看護学を学ぶ必要があります。どちらを卒業しも同じ看護師免許の受験資格を得られますが、実際に仕事を始めるとBSN卒の看護師は、患者さんの退院時の指導(Education)を行えたり、看護管理職への道が開けたりという違いがあります。わたしは将来を見据えてBSNを取得しておいて良かったな、と思っています。

 

新人看護師プログラム

3つの総合病院からオファーをもらい、最終的に小さな総合病院の循環器病等に就職を決めたました。

 

他の病院の新卒看護プログラムの期間や内容はわかりませんが、わたしの病院では13週ほどの新卒看護師プログラム中、プリセプターの人がつきっきりで丁寧に指導してくれました。自殺未遂で入院してきた人のケアや、ドキュメンテーションの仕方など、事細かにいろいろ学んだ内容の濃い13週間でした。

 

新卒看護師プログラムが終了したからといっていきなり一人前の看護師になれるわけもなく、不安な気持ちもあったものの、必要な時はいつも誰かが助けてくれる環境ということもあり、どこか安心感を持って仕事に打ち込めました。必ずわからないことを聞くと、同僚が快く教えてくれます。本当に感謝しています。

 

他の科のトレーニング

日本では看護師の就職は、病院に申し込み、採用が決まった際に、病院から部署に配属される流れかと思いますが、アメリカでは、〇〇病院の〇〇科に申し込むという形式です。

 

わたしは循環器病棟に就職しましたが、コロナ禍ということもあり、他の科でも人手が足りない時は、ERや、ICUなどのカバーに入ることも多々ありました。科によって、点滴投与ができる薬剤や、チャーティングの方法に違いもあり、他の科専門のトレーニングも受けました。本当にたくさんのスキルを身につけ経験を積ませてもらうことが出来ました。

 

 

他専門の仕事

人手が足りない時は、本来であれば、Wound Care Nurse(創傷ケア看護師)やRespiratory Therapist(呼吸療法士)がするべき仕事を一般看護師がすることもあります。

 

わたしも、かなりの重度の褥瘡や、ウジ虫がわいた創傷の処置、気管切開をした人の処置等のサポートに入ったことがあります。ウジ虫もひとつ一つとりました(笑)

 

サービス残業

サービス残業はありません!

 

人手が足りてない時は、残業をすることはありますが、残業代は割高で賃金が貰えます。後のシフトの人員が足りていない場合は、病院から残業できるか直々に頼まれる事もあります。

 

個人的な記録として、最長22時間働いたこともあります。さすがに帰宅した時にはフラフラでしたが良い思い出になっています。

シフト

わたしは、夜勤専門で週3日、1日12時間勤務でシフトを組んでいます。

 

1週間に3日、働きたい日に働いています。つまりもし連続3日働いて、4日休み、そのあとまた4日休んで、連続3日働くと、最長8日続けて休むこともできるので、そのあとに3日の休みをくっつけてもらうと、2週間くらい休みをとることも出来てしまっています。

 

なので、別に有給をさほど使わなくても、それなりにまとまったお休みを自分でスケジュールしてます。

 

同僚

わたしの職場の人間関係は、上下関係がなくフラットなので、ベテラン看護師も新人看護師も同じ立場です。

 

 

わからないことがあれば、いつでも教えてもらえるし、受け持ち患者さんが同時に処置が必要だったり大変な時は、必ず誰かが助けてくれます。もちろん、わたしも同僚のサポートにはいります。

 

誕生日の人がいれば、ケーキを準備して時間があるときに食べたりもします。一緒に働いている同僚がみんなチームとして相手を思いやる事のできる人達なので、楽しんで看護師の仕事を続けられています。

 

 

ドクターとのやりとり

アメリカですから、いろいろなバックグラウンドのドクターがいて、なまりが強すぎて英語が聞き取りつらいドクターも正直います。年配のドクターで、怒って大声をあげるドクターもいたりしますが、師長さんが「私たちはチームで働いているんだから、誰が上とか下とかないでしょ!」とドクターとなだめてくれたりして、わたしたち新人看護師をいつも援護してくれます。頼もしい限りです。

 

年齢のこと

わたしが看護大学で学んでいる時の他の学生は、40代、50代の方も普通にいました。5人の子供を産んでから、経済的な理由で看護師になる決心をしたクラスメイトもいました。逆に20代前半とか若い層の学生はほぼいませんでした。高い学費も影響しているのかもしれませんが、看護師になりたい、と思った時に、看護師になるのだから、年齢は人それぞれでOKですよ。やりたいからやるんです!それだけです!

 

私はもう〇〇歳だから、、、”といった年齢の壁みたいなものはアメリカの看護師には存在しません。

 

 

アジア人差別

わたしは看護師としてアジア人差別を感じたことはありません。

 

逆に日本人で良かったと思っています。というのもわたしたち日本人が小さい頃から当たり前に身に着けてきた「気配り」や「ホスピタリティー」が、アメリカではとても感謝されます。カリフォルニア州でもまだ日本人と接したことのない人たちも居て珍しがられる事もあり、患者さんとのコミュニケーションのきっかけになったりしています。

 

お給料 vs 物価

アメリカの物価はかなり上昇していますが、わたしは個人的に1年目の看護師として一般的職業と比較しても高いお給料をもらえているので、そこまでの苦にはなっていません。家賃も高いし、物価も高いですが、全然普通に生活できるお給料はもらえています。

 

 

看護師としての苦悩

「人種のるつぼ」と言われるアメリカで働くうえで、英語を話せない患者さんや英語なんだけどアクセントが強すぎる患者さんに直面することがあります。特にわたしの経験からいうと、中国人やヒスパニック系の人で全く英語を話せない人とのコミュニケーションは大変で、さすがに英語で会話が成立しない人

患者さんの看護にはもどかしさをいつも感じてしまいます。

 

たまにドクターの指示さえも強いアクセントで聞き取れず、聞き返すこともあります。アクセント英語は当たり前とはいえ、英語以外の言語の大切さも痛感しています。

 

これからの挑戦

看護学の勉強を続けていきたいです!今でもCode Blueの患者さんを目の前に頭が真っ白になることも正直ありますが、常に平常心でどんなケースにもしっかり対応する!ことを心掛けています。

 

臨床の経験をじっくり積んだ後は、ナースプラクティショナーになることを考えています。

 

 

国際看護師としての喜び

日本人で本当に良かったです!日本人は気質として細かく丁寧でキレイな仕事が当たり前に出来てしまう!「日本人の普通」は、「他の国の普通」とは違うので、当たり前に普通のことをしているだけで患者さんや同僚にとても感謝される機会が多々あります。

 

例えば、デスクを拭くにしても日本人が当たり前に拭くキレイは、他の人にとっては当たり前ではないんです。

 

自然に日本人として身についた気配りやホスピタリティーは一生ものです!

 

 

 

まとめ

3日続きの夜勤明けとは全く思えないくらい、はつらつとエネルギッシュにインタビューにお答えいただきました。常に前向きに進んでいらっしゃる咲帆さんにとても励まされ、こちらまで何か挑戦したくなるほどでした。


最後にアメリカで看護師になることを夢みている方々へメッセージをいただきましたので紹介します。


「実際にアメリカで看護師になって、全く後悔ありません。一生もののライセンスですし、お給料が高いだけでなくステータスも高いし、どんどん上を目指せます。

アメリカで看護師をしている人の中には看護師はきつい仕事だ、という人もいるかもしれませんが、日本人にとってきつい仕事だとは思えない。」


「とにかくチャレンジすればいい。踏み出したらいい。踏み出したらとことん

とにかくやってみてください。わたしだって高校の英語は落第点とってましたから。でもアメリカで看護師になって働いてます。きっと誰でもできます!」


本当に気さくで、なんにでもさばさばと快くお答えいただいた咲帆さん、本当にありがとうございました!将来、立派なナースプラクティショナーとして大活躍されることを応援しています。


 
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