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アメリカにおける看護職のキャリアパス

06.04.2025 | アメリカの看護師情報, 資格

看護職のキャリアパス

介護を含む看護の仕事は、他者を助けたいという気持ちと医療への関心を持つたくさんの人々を惹きつけます。看護師は多様な役割を担い、患者のケア、アドボカシー、教育、管理・運営など、幅広いスキルを有します。看護師としてキャリアを積みたいと考えているに方にとって、可能な進路についてご紹介します。

看護における一般的なキャリアパス7つについて、それぞれの専門職の責任、平均的な給与、最低限必要な教育などを含めて説明します。

患者ケアは多くの看護職の中心となるものですが、看護師の日々の業務は多岐にわたります。高度な学位を持つ看護師は、診断や治療など、医師と同等の医療行為を担うことができます。一方、看護助手は、高校卒業後に専門学校で学ぶことにより取得できます。バイタルサインを測ったり、患者の清潔、食事など身の回りの介助を行ったり、床ずれを防ぐために寝たきりの患者の体位変換というような業務を行います。

受ける教育により、行える看護業務に違いはありますが、共通なスキルとしては以下のようなスキルが求められると言えるでしょう。

  • 細部にわたる注意深さ。薬の処方から患者のバイタルサインのモニタリングまで、あらゆるレベルの看護職は細部への慎重な注意力を備えていなければなりません。
  • コミュニケーション能力。看護師同士、患者、医師、そして患者の家族と効果的にコミュニケーションをとることができなければなりません。
  • クリティカルシンキング。患者のケアにおいて、必要な情報を収集し、客観的に分析し、論理的に思考する能力が求められます。アメリカの看護師試験 NCELX-RN においても、このクリティカルシンキング能力を問われる問題が出題されています。
  • 共感力。病気や怪我をした患者に対応するときも、深刻な診断結果を説明される患者やその家族に対しても、看護師は共感できなければいけません。
  • オーガニゼイションスキル。患者のカルテを管理し、投薬やその他の指示の対処、同時に管理下のスタッフを監督することも必要です。これらすべてにオーガニゼイションスキルが求められます。
  • 良好な健康状態。看護師はシフト中動き回ることが多く、患者の体動補助をしなければならないこともよくあります。こうした日々の業務をこなすには、体力が必要とされます。

看護分野には、教育レベルに関わらず、活躍できる様々な役職があります。そして、これらの専門職の多くは互いに連携して行うことができます。例えば、准看護師は、ブリッジプログラムで看護学士号 (B.S.N.) を取得し、看護師になることができます。また、看護師は、看護学修士号 (MSN.) を取得して、ナースプラクティショナー、助産師、看護教育者といった高度な職種を目指すことができます。
看護職におけるキャリアパス7つをご紹介します。以下の給与データは、2024 年 10 月の米国労働統計局から取得したものです。給与の数字は参考までに、$1=¥140計算として、日本円でも表記しました。

CNA (Certified Nurse Assistant)

平均年収:$38,200(約¥5,348,000)

看護助手 (CNA) は、患者の身の回りの世話、バイタルサインのチェックなど、看護師の管理のもと患者ケアを行います。CNA になるために必要な教育要件は、高校卒業資格と CNA プログラムの修了です。

Licensed Practical or Licensed Vocational Nurse

平均年収:$59,730(約¥8,362,200)

准看護師 (LPN/LVN) は、診療所、病院、介護施設などで患者に基本的な医療ケアを提供します。准看護師は、高校卒業資格を取得後、資格取得のプログラムまたはディプロマプログラムを修了し、NCLEX-PN 試験に合格する必要があります。

Registered Nurse

平均年収: $86,070 (約¥12,049,800)

看護師 (RN) は、診療所、病院、介護施設などで患者のアセスメント、医師への報告、指示受け、治療、など患者のケア全般を提供します。また、LVN や CNA の監督業務も含め、連携して最善なケアを提供します。看護師になるには、短期大学 (A.D.N.) または大学 (B.S.N.) 課程を修了し、NCLEX-RN 試験に合格する必要があります。

Nurse Educator

平均年収: $80,780 (約¥11,309,200)

看護教員は、看護短大、看護大学などで看護学生を教育します。看護教育者になるには、看護師 (RN) の資格を持ち、大学院 (MSN) で看護教育を学ぶ必要があります。

Nurse Practitioner

平均年収: $126,260 (約¥17,676,400)

ナースプラクティショナー (NP) は、医師やフィジシャンアシスタントと同様に、病気、怪我、その他の症状を診断し、治療することができます。NP になるには、大学院 (MSN) で、ナースプラクティショナーのプログラムを学ぶ必要があります。NPは、診療所、オフィス、病院、介護施設など、あらゆる医療機関で働くことができます。

Nurse Midwife

平均年収: $129,650 (約¥18,151,000)

助産師は、出産のあらゆるプロセスに関わり、妊娠初期から出産、そしてその後のケアを提供します。助産師は、クリニック、病院で働くことも、また独立し開業することも可能です。定期的な婦人科ケアも提供して、特定の薬を処方することもできます。Nurse Midwife になるには、大学院 (MSN) で学ぶ必要があります。

Nurse Anesthetist

平均年収: $212,650 (約¥29,771,000)

麻酔看護師は、医療処置中に麻酔を施し、患者の状態をモニタリングするという重要な役割を担っています。この極めて繊細な職務では、睡眠導入薬の調整において細部にまで注意を払う必要があります。麻酔看護師は、外科医、歯科医、または麻酔科医の監督の下、病院や診療所で勤務します。麻酔看護師になるには、博士課程で麻酔看護師のプログラムを学ぶ必要があります。

アメリカの看護師にとって、様々なキャリアパスがあることをご紹介しました。アメリカで看護師になりたい方を応援しています。どんな些細なご質問でもお問い合わせいただければ幸いです


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