看護師お役立ちブログ
“Interdisciplinary Care Team Conference”ってなに?
05.27.2026 | アメリカの看護師情報

アメリカの病院で働き始めたころ、最初に戸惑った言葉のひとつが、”Interdisciplinary CareTeam Conference” でした。
長くて難しそうな響きですが、簡単に言うと、「患者さんについて、多職種で話し合うカンファレンス」のことです。
日本の医療施設でも、カンファレンスはありますが、アメリカではその「多職種」の幅広さや、それぞれの専門性の関わり方に驚くことがありました。
私は、Acute 病院の Med-Surg に勤務していましたが、その時に感じたのは、“患者さん中心のケア” は、ひとつの専門職だけでは成り立たないということでした。
“Interdisciplinary” とは?
“interdisciplinary” は、「多職種の連携」という意味で使われます。
つまり、ひとりの患者さんに対して、
- 受け持ち看護師
- 医師
- 理学療法士
- ケースマネージャー
- ソーシャルワーカー
- 薬剤師
など、さまざまな専門職が関わりながらケアを考えていきます。
最初は、「みんな忙しいのに、どうしてわざわざ時間を合わせて集まらなきゃいけないの?」なんて思っていました。
でも実際に、カンファレンスに参加して、それぞれの専門的な立場から患者についてのインプットを共有することで、患者の理解が深まりました。
「退院はゴールではなく、プロセス」という考え
日本で働いていた頃、退院支援というと、「退院日を調整する」イメージが強かったように思います。
アメリカでは、入院期間が短いこともありますが、“退院後、その人が安全に生活できるか” まで含めて考えている印象がありました。そのためにも、多職種が関わります。
医療スタッフそれぞれの役割
RN(看護師)患者を最も近くで見ている存在
- バイタルサイン
- 症状
- 意識状態
- ADL(日常生活動作)の自立度
- 家族の不安
など、患者の状態をよく把握しています。
まず、カンファレンスでもRNからの情報共有は重要でした。
例えば、
「この患者さん、歩けるようにはなってきたけれど、一人でトイレに行くにはまだ不安がある」
「家族のサポートは得られそうにない」
などの情報は、PT(理学療法士)やソーシャルワーカー、ケースマネージャーと共有することによって患者の回復、そして退院に向けての準備に役立ちます。
PT(Physical Therapist)理学療法士 “患者の身体機能” を見る
患者が、
- ベッドから起き上がれるか
- 階段を上れるか
- 安全に移動できるか
などを評価します。
医療的には退院可能でも、「家で生活できる状態か」は別問題です。
患者の必要な自立支援の程度により、退院先が:
- 家
- リハビリテーション施設
- Skilled Nursing Facility(SNF)
などに分かれることも多く、PT 評価はとても重要です。
Case Manager “退院を現実にする” 役割
Case managerの存在も、日本との違いを感じました。
退院に必要な:
- 退院先の調整
- 保険会社とのやり取り
- 訪問看護
- 退院に必要な医療器具の手配
などを進めていきます。
特にアメリカでは、保険会社のカバレージ問題が大きく関わります。
例えば、
- リハビリが何日カバーされるのか
- SNF の入居が認められるか
- 在宅酸素療法は保険適応か
など。
医療的に必要でも、保険上すぐに進まないこともあります。
「こんなに保険が治療に影響するんだ」と驚いたことが何度もあります。
Social Worker “生活背景” を見る
Social Worker は、
- 住居
- 家族のサポート
- メンタルヘルス
- 経済状態
- 虐待の有無
など、生活背景を見ています。
例えば、
「退院後、一人で生活できるのか」
「介護者がいるのか」
「安全な住居環境なのか」など。
病気だけではなく、その人がどんな生活に戻るのかを見る視点がとても印象的でした。
誰が “仕切る”?
これについても違いを感じました。
日本だと、「医師主導」のイメージを持つ方も多いかもしれません。
でもアメリカでは、状況によって:
- 医師
- チャージナース
- ケースマネージャー
など、進行役が変わることもあります。
また、それぞれが比較的対等に意見を共有している雰囲気も印象的でした。
患者さん中心のケア ー それぞれの患者さんのニーズに対応する
最初は、“interdisciplinary care team conference” という言葉を聞いても、正直ピンときませんでした。
でも実際に学んでいく中で、
- 看護師
- 理学療法士
- ケースマネージャー
- ソーシャルワーカー
- 医師
など、それぞれが違う視点を持ちながら、「患者さんが安全に、その人らしく生活できるか」を考えていることが分かってきました。
それは単なる「情報共有」ではなく、“患者さん中心のケアを実現するための話し合い” だったのだと思います。
最後に
アメリカの医療現場では、「病気だけを見る」のではなく、
- 退院後の生活
- 家族背景
- 身体機能状態
- 保険
- サポート
まで含めて考える場面が多くあります。
そして、それを一人の職種だけで支えているわけではありません。
“interdisciplinary care team conference” という言葉の意味を理解し始めた時、
「患者さん中心のケアとは、“チームで支えること”」と感じるようになりました。
アメリカで看護師になりたい!という方のサポートをしています。具体的になにをしたらいいのかわからない、漠然とした疑問など、まず、お問い合わせください。