アメリカで医療従事者として、グリーンカード(永住権)を取得された日本人看護師にお話を伺う機会をいただきました。
夢
日本で就職したものの、アメリカで看護師になる夢を胸に抱き渡米しました。
その後、一度諦めかけて日本に戻ったそうですが、やはり夢を捨てきれずに再渡米してきました。日本では、医療関係ではない仕事をしていましたが、”アメリカで看護師になる”夢はずっとブレる事なく「いつかきっと!」と抱きつづけていました。
これまでに何度もスーツケースをクローゼットから引っ張り出し、荷物を纏めて日本へ逃げて帰国してしまおうかと泣いたこともありましたが、今でしか叶えられない夢を諦めず本当に良かったです。
英語
英語が全くしゃべれない状態でアメリカに来て、勉強したことのない医療を、英語で学ぶのは予想以上に大変でした。
大学で日々講義を受けながらテストの度に「このクラスに落ちたら看護師にはなれない」・「また同じクラスを次のセメスターも取り直し」というプレッシャーが常にのしかかり精神的に追い込まれることもありましたが、同時に「アメリカで看護師になる!」夢を叶えるための勉強!と孤軍奮闘しながら、夢への意欲を掻き立てながらモーチベーションをキープしました。
外国人だからといって、英語のハンディーは貰えません。
しっかりと日本に居る間からの準備が必須です。
お金
勉強をするにも、生活をするにも、移動するにも、ビザの申請・更新をするにも、何かにつけてとにかく、全てにお金がかかります。円安も重なり、あっという間にお金が飛んでいきます。
資金源がしっかりないと、夢半ばで泣く泣く帰国になることも重々ありえます。
どのくらいの費用がかかるのかは、人それぞれの状況によって変わりますが、しっかりした計画が必要です。
仕事
仕事を始めて早3年になりますが、まず実感したのは、英語力の大切さ。
当たり前ですが、他のスタッフ、患者さんとの円滑なコミュニケーション、ドクターからの指示受け、勿論すべて英語です。急変患者の状況をドクターに説明するのに、的を得た簡潔なレポートができなければ、一気にドクターをいら立たせてしまいます。さらに、投薬等の指示を受けるのに、英語が聞き取れず聞き返しても、2度までは繰り返してもらえてもそれ以上は我慢してもらえません。常に必死に聞き取り!集中!そしてメモ!
アメリカの職場で看護師の地位は確かに高いです。それは、それだけの仕事をすることを期待されているということでもあります。看護師は、LVNやCNAに指示を与え監督する立場。緊急事態が発生した時にどう行動できるか、いつも問われ周りも自分の仕事ぶりを見ています。
新人看護師よりベテランLVNの方が仕事ができることも多々あります。そんな時、円滑なワークロードのためにどう対応するか。スタッフとの付き合い方、英語力、コミュニケーション能力、いろいろな課題に日々直面しています。
日本に比べてアメリカの看護師はお給料が確かにいいと思います。ただ実感するのは、それに見合った仕事が求められていること。アジア系の比較的小柄なわたし達には、こちらの身体つきのいい患者のケアーは正直大変です。日々の仕事がとてもチャレンジングで、心身ともに鍛えられ、自分次第で限りなく成長できるのが看護師かと思います。
まとめ
貴重なお話を力強く語ってくださり、強い熱意を感じました。
夢に向かって更に邁進されるのだ!という意気込みを感じ、こちらも奮い立たされる思いでした。整った環境なんてありません。本当に強い意思と行動力の素晴らしさ!に尽きると思います。どんな困難が立ちはだかっても、ご自身で一つひとつ向き合い手を尽くし解決策を模索されて乗り越えられてきた行動力!素晴らしいと思います。
これからの活躍も応援しています。ありがとうございました!