アメリカでは毎年5月6日から12日を「Nurse Appreciation Week:ナースウィーク(看護師へ感謝を表す週)」と呼び、全国各地で医療スタッフを称え、感謝の気持ちとて、さまざまなカテゴリーのお店で割引を受けられます。この割引はスクラブのような医療関連アイテムに限らず、スキンケア、ウェルネス、食品、衣類など、生活必需品全般に渡り、アメリカで有名なドーナツ・チェーン店でも無料のドーナツやコーヒーが配られたりします。
それぞれの医療機関でも、働く看護師をたたえ看護師週間(ナースウィーク)をお祝いします。日替わりで、アイスクリーム、ドーナツ、クッキー、ブリトー、カップケーキなどが配られたり、その医療機関のロゴの入ったランチバックやバックパックが贈られたりします。日々、業務に追われる看護師ですが、看護師週間(ナースウィーク)は、感謝されていることを実感できる特別なお祝いだと思います。
2024年度のスローガンは“Nurses Make the Difference”です。
この「看護師が違いをつくる」というスローガンは、親切さを体現する看護師を称えています。
看護師週間が始まった歴史
約70年前に遡ります。
1953年
アメリカ合衆国保健福祉教育省のドロシー・サザーランドが、「看護師の日」を宣言するようにエイゼンハワー大統領に提案し看護師の日の宣言を提案したが、実現せず。
1954年
フローレンス・ナイチンゲールの使命100周年を記念し、フランシス・P・ボルトン代議員が看護師週間の法案を提唱し、10月11日から16日まで全土で看護師週間が開催され法案を提唱したが、再度実現せず。
1972年
再び下院から大統領に全国登録看護師の日の宣言が提案されたが実現せず。
1974年
1月に国際看護評議会(ICN)が5月12日を国際看護師の日と宣言。(5月12日はフローレンス・ナイチンゲールの誕生日)ICNは1965年から「国際看護師の日」を祝う。2月にはホワイトハウスが1週間の全国看護師週間を指定し、ニクソン大統領が宣言を発表。
1978年
ニュージャージー州知事が5月6日を「看護師の日」と宣言し、エドワード・スキャンラン氏がその認識を推進。
1981年
アメリカ看護協会(ANA)は、ニューメキシコ州の看護師たちによって提起された決議を支持するために、1982年5月6日を「看護師の全国認識デー」として設立するための提案を支持。
1982年
2月にANA理事会は、1982年5月6日を「全国看護師デー」と公式に認定。しました。アメリカ合衆国議会の共同決議を確認し、3月25日にロナルド・レーガン大統領が署名し「看護師の全国認識の日」を1982年5月6日に宣言。
1990年
ANA理事会は看護師の認識を1週間に拡大し1991年5月6日から12日までを全国看護師週間と宣言。
1993年
ANAが全国看護師週間を恒久的な日付として5月6日から12日に指定。
1996年
ANAが全国登録看護師認識デーを設立。
1997年
全米学生看護協会が全米学生看護師デーを指定。
よくアメリカでは、看護師の地位が確立しているといわれます。給与等の待遇面は勿論のことですが、こういった歴史を踏まえ、社会からの感謝を受け敬われるという点に置いても確立していると言えるのではないでしょうか?